中小企業診断士試験の最後の試験が口述試験です。2次試験の筆記試験に合格をして、口述試験の対策としてこのブログを見られている場合には、ほぼ合格と思ってもらって良いです。

口述試験の対策と、同時に進めておくべきことは、中小企業診断士登録の準備

今回は、口述試験の対策と同時に進めておくべき中小企業診断士登録の準備についてまとめさせていただきました。

口述試験の合格率は99%以上!まず、落ちない。

まずは、令和元年度と平成30年度の合格率を見てください。

「口述試験を受験する資格を得た方の数」が筆記試験の合格者数です。そして、合格者数が最終的な合格者数です。令和元年度は合格率99.7%、平成30年度は合格率99.8%と高い合格率になっていることがお分かりいただけます。

口述試験に対して勉強しておくこと

合格率が99%以上と言えども、毎年1~数名は不合格になっているわけで、もしかしたら自分がその1人になってしまうかもしれないと不安に感じるは当然です。ちなみに、「口述試験を受験する資格を得た方の数」は、口述試験を受験しなかった人も含まれていますので、もしかしたら何かの理由で口述試験を受験しなかった、受験できなかったという人も含まれていると考えられますので、実際に口述試験を受験して不合格になる割合はもっと低いと考えられます。

口述試験とは、2次試験の筆記試験の面接版

2次試験の案内を見ていただくと口述試験についての説明があります。下記のように、筆記試験と同等のように書かれています。また、実施方法を見ると10分程度の面接とあります。

余談ですが、試験会場では、待合室があり、そこから面接会場に移動します。移動にあたっては、中小企業診断士の人が案内してくれます。雰囲気として、落とすための試験ではないということが伝わってくるかと思います。(会場にもよると思いますが。。。)

口述試験の試験問題は4問?

口述試験の試験問題は、多くの場合には、2次試験の4つの事例のうち2つの事例から2問ずつと聞きます。しかしながら、4つの事例について各1問質問されるケースもあり、はっきりわかりません。

また、試験時間は10分で各質問に対して2分程度で回答するように促されますが、回答時間が短いと質問が増えたりするケースもあるようです。

口述試験の対策として何を勉強しておくべきなのか?

質問の内容は、ストレートに事例のことを質問されるケースもあれば、そこからその知識(1次試験で学んだ知識)に関する質問の場合もあります。

その点から考えると下記の3点をおさえておく必要があります。

  • 各事例の内容をちゃんと覚えておく
  • 各事例の会社の戦略を覚えておく、考えておく
  • 基礎知識をざっと復習しておく

推測となりますが、正解しているかどうかは重要ではないと思われます。そもそも筆記試験の回答は公開されていないので正答がわかりませんし、筆記試験の合格点が60点ですので、受験者がすべての正解ができるという前提ではないからです。

時間があれば、予備校のセミナーや想定問答集を手に入れる

時間があれば、各予備校のセミナーや想定問答集を手に入れると良いと思います。私の場合には、セミナーは参加しませんでしたが、想定問答集は手に入れました。ただ、想定問答集とはまったく違う質問をされた記憶があります。

想定問答集を通じて、各事例の理解を深めるという形で利用されるのが良いかと思います。

沈黙は厳禁!沈黙を回避するには?

口述試験に不合格になった事例としては、まったく話をしなかったということを聞いたことがあります。とにかく、沈黙することは厳禁です。

営業職のように日常的に人とのコミュニケーションが仕事の方は、そういう意味は問題ないかもしれません。

難しい質問をされて沈黙しそうになった場合の回避策としては、

  • 質問を繰り返したり、確認することで時間を稼ぎ、話しながら回答を考える
  • まったく何のことか思い出せない場合などは、素直にわからないと答える。別の質問になったり、誘導してくれるようです。
  • 質問に対する基礎的な知識から会話をスタートする。事例の●●について聞かれた場合、事例のことは思い出せなければ、●●の知識だけ回答していくというような感じです。

口述試験の服装は?

もっとも悩ましいのが服装です。服装については、中小企業診断士として企業に訪問するという想定をして選ぶのが無難かと思います。

実際に会場では、男性はスーツ+ネクタイが95%以上、女性はビジネスカジュアルというような感じでした。いわゆる私服というような方はいませんでした。

余談ですが、私は、スーツを着る機会が長いことなかったので、スーツがきつくなっていたため、急遽、スーツを購入しました。

服装については、いろいろ意見のある人もいるかもしれませんが、無難な恰好にされるのが良いかと思います。

口述試験と同時に中小企業診断士としての登録の準備をしておく

これは、私の失敗談となります。口述試験に合格をすると中小企業診断士試験には合格となります。しかし、中小企業診断士として活動するためには、中小企業診断士として登録をする必要があります。

中小企業診断士の登録には、15日分の実務が必要となります。実務というのは、実際に企業の診断業務をするか、実務補習という研修を受けることになります。

多くの方が、実務補習を利用されます。例年、合格発表後、すぐに研修が受けれるように2月~3月に15日分の実務補習があります。もし、そこで実務補習を受けることができなければ、秋ぐらいまで実務補習はありません。

これは、実際に本当に企業に行って、企業の診断をするという形になるので、簡単には回数を増やしたりできないためです。

合格発表とともに実務補習はすぐに定員となる

ここからが私の失敗談ですが、合格発表を見てから、仕事の段取りをつけて合格発表日の夕方に実務補習の申し込みをしようとしたら、すでに定員となっていました。私の場合には大阪でしたが、これは地域差があるようです。

予備校などに通学していた人は講師の人などからこの話を聞いていたらしいですが、私は独学だったため、まったく知りませんでした。

結果的には、先輩診断士に相談をして、名古屋で5日間の実務補習をして、10日間の実務従事をすることで無事に中小企業診断士としての登録を終えることができましたが、人によっては、実務補習が受けれなかったばかりに実際の活動が秋以降になったという方もおられます。

中小企業診断士協会のホームページにて早くから実務補習の日程が公開されています。そもそも受付日が合格発表より前から開始されており、前年度の合格者は申し込みができますが、合格前の申し込みはできないため、当年度の合格者はすでに枠が少なくなっているようです。

すこしでも早く中小企業診断士として活動をされたい方は、事前に日程の確認や仕事の調整をしておき、合格発表日の9時くらいから中小企業診断士協会のホームページでの合格発表をチェックし、すぐに実務補習へ申し込んだ方が良いです。

余談ですが、もし、実務補習を受けることができなくても各都道府県の診断士協会への入会はできます。診断士協会に入会をすれば、診断士として活動するための情報は入ってくるようになりますので、入会だけはしておくと良いと思います。