中小企業診断士試験は1次試験に合格できても、当然のことながら2次試験に合格できなければ意味がありません。また、1次試験合格後、2次試験の受験権利は2回しかありませんから、何度も1次試験を受験しないで済むように1次試験の勉強の間に2次試験を意識しておくと良いです。
中小企業診断士1次試験の勉強時には、2次試験を意識しておくと捗る
実は、私は1次試験のときは2次試験はまったく意識していませんでした。それでもストレート合格できましたので、2次試験を意識するということは絶対的なことではありません。また、そもそも1次試験に合格できなければ意味がないので、1次試験合格を中心に据えるのは当然のことです。
2次試験の本格的な勉強は1次試験の合格後でも大丈夫
このブログの2次試験関連の投稿を見ていただければと思いますが、2次試験の本格的な勉強は1次試験の合格後でも十分に間に合います。
ただ、下記投稿に書いたように、中小企業診断士の2次試験には1次試験の知識が必要となります。
1次試験と2次試験の試験主旨を確認してもらうとわかるのですが、1次試験は中小企業診断士として知識があるかどうかを確認する試験になり、2次試験はその知識を応用できるかという試験になります。
1次試験の勉強はマークシート対策で良いが、2次試験は記述式
1次試験はマークシートになります。下記の投稿でも書きましたが、単語、用語をきっちり覚える必要はありません。正答となる解答を選べるだけの勉強で大丈夫です。
一方で、2次試験では、記述式ですので、必要に応じて単語、用語も自分で記述する必要があります。
2次試験で重要なのは、「企業経営理論」「財務・会計」「運営管理」の3科目
では。2次試験を意識して勉強するということはどういうことかを説明していきます。
まず、1次試験では、7科目ありますが、2次試験で必要となるのは、「企業経営理論」「財務・会計」「運営管理」の3科目です。他の科目はほぼ必要ありません。もちろん問題によって、「経営情報システム」「経営法務」あたりは多少は必要となる場合がありますが、それもごく一部です。
2次試験の事例Ⅰは、「企業経営理論」の経営戦略、組織論、事例Ⅱは、「企業経営理論」のマーケティング論、事例Ⅲは、「運営管理」、事例Ⅳは「財務・会計」から出題されます。
とはいえ、それぞれを完璧に覚える必要はありません。例えば、「企業経営理論」の組織論で学者の名前や理論名をしっかりと覚える必要などはありませんし、「運営管理」のすべてを覚える必要はなく、基礎的な部分だけで良いです。
具体的にどこからどこまでということを説明すると本1冊書けてしまいますので、ここでは割愛しますが、その本が、「2次試験合格者の頭の中にあった全知識」という本です。下記は2020年版ですが、毎年、最新版が発売されています。(正直、1,2年では大して内容は変わらないと思います。)
1次試験の学習にもつながります
「企業経営理論」「運営管理」の学習途中では、この本に目を通しておくと良いと思います。単に2次試験対策となるだけではなく、1次試験の学習にもつながります。
というのは、2次試験は、企業の事例をもとに1次試験の知識を使って解答していく問題です。1次試験の勉強は、あくまで知識を習得するためになりますので、理論的なことばかりとなります。2次試験はそれを実際の事例で活用していく必要があります。1次試験の学習内容がより具体的に理解できることとなりますので、結果的に1次試験の学習にもつながります。
財務・会計は、2次試験の勉強をしておくと良いと思う
下記、投稿でも書いたように私は2次試験の事例Ⅳが苦手でした。実際、テストの点も良くなかったです。
これは、1次試験時の勉強の仕方によって克服できていたのではないかと思っています。何度も書きますが、1次試験はマークシートです。「財務・会計」は計算が必要となりますが、解答はマークシートから選べば良いので、はっきりとした正答が出さなくても、正答となる選択肢を選ぶことができれば良いです。
1次試験の「財務・会計」をそういう学習の仕方をすると2次試験で苦労します。
2次試験の事例Ⅰ~事例Ⅲの3つの試験科目は、「企業経営理論」「運営管理」と関連しているとは言え、直接的に関連しているというわけではありません。
事例Ⅳだけは異なり、すごく乱暴に言えば、1次試験の「財務・会計」が初級編で2次試験の「事例Ⅳ」が上級編的な形になります。別の言い方をすれば、2次試験の事例Ⅰ~Ⅲをどれだけ勉強しても、1次試験の「企業経営理論」「運営管理」の点数はおそらくほとんど変わらないです。ですが、2次試験の事例Ⅳの勉強は1次試験の「財務・会計」に直結します。(もちろん2次試験の事例Ⅳだけの勉強では、1次試験の「財務・会計」には合格できませんが。。。)
特に1次試験の「財務・会計」は電卓持込不可ですので、手計算でできるレベルの問題しかでません。2次試験は電卓持込可能ですので、電卓を使わないと計算できないレベルの問題がでます。その点でも2次試験は1次試験の応用編と捉えることができます。
「財務・会計」は繰り返し実際に計算することが大切。1次試験後では勉強時間が足りぐるしい
上記の「中小企業診断士2次試験 事例Ⅳが苦手な人はこれだけ押さえておこう」という記事は、正直、1次試験後の時間では勉強時間が足りないことからの苦肉の策と言ってもいいです。
「財務・会計」は、平たく言えば計算問題ですので、繰り返しトレーニングが重要になってきますが、1次試験終了後の2ヶ月程度では、少々、足りぐるしいです。
1次試験の勉強中に2次試験の事例Ⅳの勉強を進めることで、1次試験の「財務・会計」にもつながりますので、ぜひともそういう形で進めていただきたいと思うのですが、私のオススメは下記の問題集です。こちらの「30日完成!事例IV合格点突破 計算問題集」ですが、タイトル通り30日分の問題になっています。これを1次試験の終了後にすると2回転くらいしかできません。1次試験の勉強時期から開始することで3回転、4回転させることができれば、2次試験の事例Ⅳの勉強で苦労することはないと思います。