「中小企業診断士という資格の価値」について、私自身の経験をもとに感じたことをお伝えしたいと思います。ネット上では「足の裏の米粒」と揶揄されることもある中小企業診断士ですが、果たして本当にそうなのでしょうか?

経営コンサルタント経験のある代表が中小企業診断士資格を取得して感じている価値をまとました。


私の経歴と診断士資格取得までの道のり

私はもともとコンサルタント会社で10年間勤務し、その後独立しました。独立後しばらく経ってから、中小企業診断士資格を取得しました。

20代のころ、私はフリーターをしながら経営コンサルタントに興味を持ち、中小企業診断士の存在を知りました。当時の試験制度は現在のマークシート方式ではなく、記述式でかなり難易度が高かったです。週1回資格学校に通いながら勉強しましたが、1次試験で不合格となり、再チャレンジはしませんでした。

その後、インターネットビジネスのコンサルタント会社に転職し、11年間勤めました。会社は創業2年目、社員5人の頃に入社し、最終的には事業部長まで務めました。


診断士資格取得のきっかけ

独立後、私はコワーキングスペースの運営やネットショップを手がける中で、営業面での苦労を感じることが増えました。自分のスキルをアピールして信頼を得ることに時間がかかると感じていたのです。

そんなとき、中小企業診断士の試験制度がマークシート方式に変更されたことを知りました。また、2020年の東京オリンピックの影響で試験日が7月に前倒しされたことも、取得を決意する大きな要因でした。私はお寺の副住職も務めており、8月のお盆期間は多忙なため、例年の試験スケジュールでは受験が難しかったのです。

さらに、妻が社労士として独立していたことも士業に興味を持つきっかけとなりました。また、ちょうどビジネスの転換期で時間的な余裕が生まれたことも追い風となりました。


資格取得後の変化

2019年1月から本格的に勉強を始め、当初は2020年の試験を目標にしていました。しかし、せっかく勉強したのだからと、2019年8月の試験に挑戦したところ、ストレート合格することができました。

ちょうどその頃、新型コロナウイルスが世界中で拡大し、私が運営していたコワーキングスペースは営業停止を余儀なくされました。しかし、中小企業診断士としての資格を取得していたおかげで、補助金支援や経営相談窓口の仕事を受けることができ、事業の軸をコンサルタント業にシフトすることができました。


中小企業診断士の価値とは

1. 信用力の向上 中小企業診断士という肩書きは、クライアントとの信頼関係を築く上で大きな武器となります。「経営コンサルタント」という肩書きだけでは怪しまれることもありますが、「中小企業診断士」と名乗るだけで一定の信用を得ることができます。

2. 補助金や各種制度へのアクセス 資格取得後は、補助金申請や経営革新計画の支援など、具体的な依頼が増えました。また、商工会議所や中小企業診断協会から最新の情報を受け取ることができるようになり、クライアントへの提案の幅も広がりました。

3. 公的機関での活動機会 公的機関での相談窓口対応や派遣制度を活用することで、小規模事業者や創業者の支援がよりスムーズに行えるようになりました。これにより、報酬は直接契約より低くても、安定的に仕事を受けることができるようになりました。


まとめ

中小企業診断士は独占業務がないため「足の裏の米粒」と揶揄されることもありますが、実際には資格を活用することで多くの機会と信頼を得ることができます。

私自身、コロナ禍で事業が厳しくなった際に、中小企業診断士の資格に大いに助けられました。ただし、資格を取得するだけでは仕事は自動的に増えません。資格を活かして積極的に活動することが重要です。

もし中小企業診断士の取得を検討している方がいれば、ぜひ挑戦をおすすめします。資格は単なるゴールではなく、可能性を広げるスタートラインです。

▼動画解説はこちら