中小企業診断士試験に合格された皆さん、おめでとうございます!長い受験生活を乗り越え、晴れて合格を手にしたことは素晴らしい成果です。しかし、診断士資格は取得がゴールではなく、スタートラインに立ったに過ぎません。今回は、診断士試験合格後に何をすべきか、実践的なステップを詳しく解説します。
実務補修を受講する
実務補修とは?
診断士登録には15ポイントの実務経験が必要です。多くの合格者は、中小企業診断協会が実施する「実務補修(5日間または15日間コース)」を受講してポイントを取得します。
実務補修が受けられない場合の対処法
実務補修の枠が限られており、受講できないケースもあります。その場合は、知り合いの経営者を支援し、実務ポイントを取得する方法があります。例えば、以下のような取り組みがポイント取得につながります。
- 経営改善のアドバイス
- 事業計画の策定支援
- 財務分析やマーケティング戦略の提案
実体験:私の場合
私自身も大阪で実務補修の枠が取れず、名古屋で5日間のコースを受講しました。残りの10ポイントは、知り合いの会社を支援して取得しました。柔軟に対応することが大切です。
診断士ネットワークを広げる
なぜネットワークが重要なのか?
中小企業診断士には独占業務がないため、ネットワークが資格の価値を高める鍵となります。診断士同士のつながりは、情報共有や仕事の紹介に直結します。
ネットワーク構築の具体的な方法
- 診断士協会に所属する
- 診断士協会に加入することで、研究会やセミナーに参加でき、他の診断士と交流が可能です。
- メリットとして以下のような点があります。
- 仕事の紹介:公的機関の相談員やセミナー講師の募集は、協会を通じて行われることが多いです。
- スキルアップ:研究会や勉強会で最新の知識を得ることができます。
- 信頼性の向上:診断士バッジの取得や公式な名簿掲載により、信用を得やすくなります。
- 中小企業診断士は、地域を超えて複数の協会に所属することが可能です。例えば、私は大阪と京都の診断士協会に所属しています。複数の地域で活動する場合は、所属を広げることで情報や仕事のチャンスも増えます。
- 研究会・委員会への参加
- 診断士協会では、多くの研究会や委員会が活動しています。自分の興味や得意分野に応じて参加すると、同じ志を持つ仲間と出会えます。
- 新人向け勉強会や青年部への参加
- 多くの協会では、新人向けの勉強会や青年部活動があります。参加することで、診断士活動の基礎を学びながらネットワークを広げられます。
- 地域の支援機関や商工会議所との連携
- 地域の商工会議所、産業振興センター、信用金庫などに挨拶に行き、自分を知ってもらうことも重要です。
地域の関連機関との連携
商工会議所や支援機関へのアプローチ
- 商工会議所での経営相談員やセミナー講師の募集に応募する。
- 市町村の産業振興課や中小企業支援機関に挨拶を行い、診断士として活動していることを伝える。
- 信用金庫や信用組合など、地域密着型の金融機関とつながる。
セミナー開催で知名度アップ
商工会議所の会議室を借り、自分の得意分野のセミナーを開催するのも効果的です。商工会議所の会員向けにチラシを配布してもらえることもあり、地域の事業者との接点が増えます。
公募案件に積極的に応募する
J-Net21での公募情報をチェック
J-Net21などのサイトでは、経営相談員やコーディネーターなどの公募案件が掲載されています。特に2月から3月は公募が増える時期なので、積極的に応募することをおすすめします。
公募応募のメリット
- 応募を通じて支援機関に自分の存在をアピールできる。
- 採用されなくても挨拶の機会が得られ、将来的な仕事につながることも。
その他の活動
事業者交流会への参加
地域の事業者交流会は、新たな仕事のきっかけを作る場です。ただ、異業種交流会は個々人で相性があり、相性が合う交流会でないと意味がありません。個人的には地域密着型の交流会は、有益なつながりが得られる可能性が高いと思っています。
SNSやブログでの情報発信
診断士としての活動をSNSやブログで発信することも効果的です。自身の専門性や実績を可視化することで、信頼度が高まり、新たな依頼につながることもあります。
まとめ
中小企業診断士試験に合格した後の行動次第で、資格の価値は大きく変わります。以下のステップを意識して活動を進めましょう。
- 実務補修でポイントを取得し、資格登録を完了する。
- 診断士協会に所属し、ネットワークを広げる。
- 商工会議所や地域支援機関とのつながりを作る。
- J-Net21などで公募案件に応募する。
- 事業者交流会やSNSで自分をPRする。
資格を活かして充実した診断士ライフを送りたい方は、これらのステップを参考に、積極的に行動してみてください。