「中小企業診断士と行政書士、どちらを目指すべきだろう?」
資格取得を考えている方から、非常によくいただく質問です。
先日もYouTubeで、次のようなコメントをいただきました。
「中小企業診断士と行政書士で迷っています。資格そのものではなく、仕事の中身や働き方の観点で見ると、どんな人が向いていると思いますか?」
私は中小企業診断士・行政書士として活動していますが、この質問に対する答えは意外とシンプルです。
資格で選ぶのではなく、「どんな仕事をしたいか」で選ぶことが大切です。
この記事では、実際の業務内容を踏まえながら、中小企業診断士と行政書士の違いについて解説します。
一般的には行政書士は事務処理、診断士はコミュニケーションと言われる
まずは一般的によく言われる特徴です。
行政書士や社会保険労務士などの法律系資格は、
- 正確な事務処理
- 書類作成
- 期限管理
- ミスを防ぐ能力
が求められる仕事と言われています。
例えば行政書士であれば、建設業許可や各種許認可申請など、役所へ提出する書類を作成します。
一文字の誤りや添付書類の不足で差し戻しになることもあるため、丁寧で正確な仕事が重要になります。
一方、中小企業診断士は、
- コミュニケーション能力
- ヒアリング力
- 問題発見力
- 問題解決力
が求められることが多い資格です。
経営相談では、「売上が下がっている」「何から改善すればいいか分からない」といった漠然とした相談を受けることが少なくありません。
その話を整理し、本当の課題を見つけて経営者と一緒に解決策を考えることが、中小企業診断士の大きな役割です。
しかし、この一般論だけでは判断できない
ここで注意したいのが、この一般論だけで資格を選ぶのは危険だということです。
なぜなら、同じ資格でも仕事内容が大きく異なるからです。
診断士でも事務能力が重要な仕事は多い
私自身が多く担当しているのは、
- 補助金申請支援
- 経営改善計画の作成
- 金融機関へ提出する事業計画書
といった業務です。
これらはコミュニケーション能力だけでは務まりません。
数字の整合性、文章の正確性、誤字脱字のチェックなど、非常に高い事務処理能力も必要になります。
つまり、中小企業診断士だからといって「話をする仕事だけ」というわけではありません。
行政書士でもコミュニケーション力が求められる
逆に行政書士でも、相続や遺言、法人設立など個人や経営者を相手にする業務では、依頼者から丁寧に話を聞くことが重要になります。
書類を作るだけではなく、
「本当に困っていることは何か」
を整理する力が必要です。
また、社会保険労務士でも、ハラスメント相談や労務トラブル対応では、従業員や経営者との対話力が欠かせません。
つまり、
資格によって能力が決まるのではなく、どの分野を専門にするかで求められる能力が変わるのです。
実は「営業方法」でも向き・不向きは変わる
もう一つ見落とされがちなのが、仕事を獲得する方法です。
士業は仕事そのものだけでなく、どうやって仕事を取るかも重要になります。
例えば、
- SEOでホームページから問い合わせを集める
- YouTubeやSNSで情報発信する
- 紹介を中心に仕事を受ける
- セミナー講師として認知を広げる
など、営業方法は人それぞれです。
営業スタイルによっても必要なスキルは変わります。
そのため、「行政書士だからこう」「診断士だからこう」と一括りにはできません。
私が診断士業務を中心にしている理由
私は中小企業診断士と行政書士の両方を登録していますが、現在の仕事は診断士業務が約95%、行政書士業務が約5%です。
理由はシンプルで、
経営者と一緒に課題を考え、改善策を考える仕事が好きだからです。
もちろん、その中では補助金申請や経営改善計画など、多くの書類も作成しています。
つまり、コミュニケーションだけでも、事務処理だけでも仕事は成り立ちません。
どちらの能力も必要になります。
資格よりも「どんな仕事をしたいか」を考えよう
資格取得を考えている方は、
「行政書士に向いている性格」
「診断士に向いている性格」
を調べたくなると思います。
しかし、本当に考えるべきなのは、
「どんな仕事をしたいか」
ということです。
例えば、
- 許認可や法律手続きを中心に仕事をしたいのか
- 経営者の相談相手として伴走支援をしたいのか
- 相続や遺言など個人支援をしたいのか
- 補助金や事業計画を専門にしたいのか
同じ資格でも専門分野によって働き方は大きく変わります。
そのため、資格学校のパンフレットだけで判断するのではなく、実際にその資格で活躍している人の仕事内容を調べてみることをおすすめします。
資格を選ぶ前に仕事を知ること。
それが、自分に合った資格を選ぶ一番の近道だと思います。
