12/9のYahoo!ニュース オリジナル 特集にて、『資格を取ったのに収入減――「リカレント教育」の悲喜こもごも』という記事がアップされていました。
▼そのうち、リンクは切れてしまうかもしれませんが、記事はこちら
資格取得したけど稼げない人や食い物にされている人が多いって話
記事の内容は、お読みいただければと思いますが、大きく3つのことが書かれています。
- 55歳で社労士資格を取得したけど、簡単に稼げなかった。
- 資格取得者をターゲットにしたヒヨコビジネスやダブルライセンス誘導など資格ビジネスへの誘導をされる
- 学びは資格取得だけではない、仕事の中で学び直しは必要
②のことは、別の機会に投稿をしたいと思います。③は、ちょっとこの記事で伝えたいことが正直よくわからなかったです。記事全体としては、資格取得で収入アップというような風潮に警鐘を鳴らしたいという意図なのかなと思いました。
余談ですが、リカレント教育なのかリスキリングなのか?
記事にいちゃもんつけるわけではないのですが、資格取得にリカレント教育という表現には少し違和感を感じました。リカレント教育とは、「必要に応じて教育機関に戻って学習を続け、そしてまた就職すること」ですが、司法試験や医師免許のような資格を除けば、大学等に入る必要はなく、ほとんどの資格が仕事を続けながら勉強をして取得できるのでどちらかと言えば、「リスキリング」の方がすっと入ってくるかなと思ったりはします。
ただ、リカレント教育は個人が自発的に開始するもので、リスキリングは会社が従業員に新しいスキルを身につけさせるものという考え方もあるので、そういう意味ではリカレント教育で良いのかもしれません。
で、本題の①ですが、資格取得して稼げない人とは
資格取得をして稼げない人はどういう人かというと、具体的な特徴は別の機会にまとめたいと思いますので、本日は概念的なことになりますが、「資格取得=就職・転職」のように考えている人じゃないかと思います。
資格合格は最低限の知識の確認
資格試験で問われていることは、ほとんどの資格において、その資格を名乗るうえで必要な最低限の知識があるかどうかということです。
実務的にどのようなノウハウが必要であるか、営業的にどうすればよいかということは問われていないです。
事業として成立させる必要がある
士業といっても事業には変わりありませんから、事業として成立させる必要があります。
端的に言えば、「誰に・何を・どのように提供するか」ということを考える必要があります。また、同時に他者と差別化をして、自分が選ばれるようにしないといけません。
もう少し踏み込んで言うと
ターゲットと提供サービスは決まっているか?
同じ資格を保有している士業であってもターゲットや主要サービスは異なってきます。士業によって提供サービスの違いの度合いは異なりますが、おそらく差異が少ない税理士であっても個人 or 法人、企業規模などのターゲットの違いがあります。
提供サービスに対して十分なスキルや知識はあるか?
これも士業によって差異があります。行政書士などは資格試験と実務がリンクしている度合いが少ないので、資格試験とは別に実務的な学習の必要があります。司法書士などは4ヶ月にわたる研修があるので、その点は心配ないのかもしれません。(実情はちょっとわかりません。。)
顧客はいるか?集客方法はあるか?
開業前に顧客がいる場合には一定の収入が確保できますが、ほとんどの方が顧客はいないと思います。どのように集客するかということを考えておく必要があります。 このあたりを考えずに仕事を辞めて事務所を構えた人は苦しんでいるのかなと思います。
資格取得に警鐘を鳴らす風潮が強まってきたが、士業で開業は成功の可能性が高い
コロナ禍で自宅にいる時間が増えたことや、仕事が不安定な状況があり、資格取得がちょっとしたブームになっています。各資格とも受験者が増え、資格学校の広告も増えています。
その中で冒頭のような資格取得に警鐘を鳴らす風潮が強まってきましたが、士業で開業は他の事業で開業するより成功確率は高いと思っています。
「資格取得=就職・転職」ではなく、事業をしていくという意識で取り組めば十分に稼ぐことはできると思います。
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