中小企業診断士の平均年収は1,100万円超え」
「士業年収ランキングで1位」
このような記事を見て、「そんなに稼げる資格なの?」と思った方も多いのではないでしょうか。
実際、資格学校アガルートが公開している士業年収ランキングでは、中小企業診断士が1位という結果になっています。
しかし、現役の中小企業診断士として活動している立場からすると、「そうとも言えるし、そうとも言えない」というのが正直な感想です。
今回は、このランキングをもとに、中小企業診断士の年収の実態や、士業で収入差が生まれる理由について解説します。
士業年収ランキングで中小企業診断士が1位?
資格学校アガルートでは、各士業の平均年収を紹介した記事が公開されています。
その中では、
- 中小企業診断士
- 社会保険労務士
が同じ年収で1位となっています。
ちなみに我が家は、私が中小企業診断士、妻が社会保険労務士です。
記事を見た瞬間、
「うちは理論上、最強夫婦やん(笑)」
と思いました。
もちろん冗談ですが、それくらいインパクトのあるランキングです。
ランキングは信用できるの?
結論から言うと、
ある程度参考にはなるが、そのまま鵜呑みにするのは危険
だと思っています。
今回の記事では、厚生労働省の「Job Tag(職業情報提供サイト)」のデータをもとに年収が掲載されています。
つまり、どこかのネットアンケートだけで作られたランキングではなく、公的な情報を参考にしている点は評価できます。
ただし、ここで疑問になるのが、
- 独立開業している人なのか
- 企業内診断士も含まれるのか
- 経営者として活動している人はどう扱われるのか
- 副業診断士は含まれるのか
など、集計対象の詳細までは分からないことです。
そのため、
「中小企業診断士は一番稼げる資格です」
と断言するのは少し難しいでしょう。
それでも「あり得ない数字」ではない
とはいえ、この年収が全く現実離れしているかというと、そうでもありません。
私の周りにも、
- 独立してコンサルティングをしている診断士
- 研修講師として活躍している診断士
- 経営者として会社を運営している診断士
など、高収入の方は多くいます。
逆に、副業診断士や企業内診断士も多く存在します。
つまり、
診断士という資格だけではなく、どのような働き方をしているかで年収が大きく変わる資格
と言えるでしょう。
士業は収入差が非常に大きい
私が今回一番お伝えしたいのはここです。
士業の世界は、とにかく収入差が大きい。
以前、YouTubeで行政書士の廃業について動画を公開した際、
「仕事が多すぎて困っているくらいです。営業すれば仕事はいくらでもありますよ。」
という行政書士の先生からコメントをいただきました。
一方で、
仕事が思うように取れず、苦労している士業も数多くいます。
同じ資格を持っていても、年収には数倍、場合によっては10倍近い差が生まれることも珍しくありません。
なぜ同じ資格なのに差がつくのか?
①資格と仕事の能力は別
資格試験は、基本的には知識を問う試験です。
しかし、お客様が求めているのは知識だけではありません。
- コミュニケーション能力
- 提案力
- 問題解決能力
- 信頼関係を築く力
など、実務で必要となる能力は非常に多くあります。
実際、私も仕事を通じて多くの士業の先生と出会いますが、
「ぜひ仕事をお願いしたい」
と思う方もいれば、
逆にそう感じない方もいます。
これは資格とは別の能力です。
②営業活動の差
もう一つ大きいのが営業です。
独立したばかりの方の中には、
事務所を借りて、
「仕事が来るのを待つ」
という方もいます。
しかし、それだけでは仕事は増えません。
実際に活躍している先生方は、
- ホームページ
- SNS
- YouTube
- セミナー
- ビジネス交流会
- 紹介
など、何らかの形で継続的に営業活動を行っています。
資格を取得することがゴールではなく、
そこから仕事を作っていくことが重要なのです。
経営には「運」の要素もある
努力だけで全てが決まるわけではありません。
私は経営相談を数多く行っていますが、
経営には運もあります。
例えば飲食店であれば、
開業後に向かいへ人気店が出店することもあります。
逆に大型施設ができて人通りが増え、売上が伸びるケースもあります。
士業でも同じです。
独立したタイミングや、最初のお客様との出会いなど、
自分ではコントロールできない要素があります。
だからこそ、
独立してすぐ稼げるかどうかは、運の影響も少なくありません。
しかし長期的には努力が結果につながる
一方で、5年、10年という長い目で見ると話は変わります。
継続して営業し、
専門性を磨き、
お客様との信頼関係を積み重ねることで、
少しずつ仕事は増えていきます。
もちろん向き不向きはあります。
しかし、
資格だけではなく、事業として育てていく視点
があるかどうかで、将来は大きく変わってきます。
資格選びで年収ランキングだけを見るのは危険
今回のランキングを見て思ったのは、
「この資格なら○○万円稼げる」
という考え方は少し危険だということです。
特に士業は、
資格そのものよりも、
その資格を使ってどのような価値を提供するかが重要です。
独立を考えている方は、
資格取得だけでなく、
営業や経営についても学ぶことをおすすめします。
まとめ
中小企業診断士が年収ランキング1位という記事は、決して間違いとは言えません。
しかし、その数字だけを見て資格を選ぶべきではありません。
大切なのは、
- 自分に向いている仕事か
- 継続して学び続けられるか
- 営業や経営にも取り組めるか
ということです。
資格はあくまでもスタートライン。
最終的には「資格で食べる」のではなく、「事業として成功させる」という視点が、長く活躍するためには欠かせないと私は考えています。
