中小企業診断士は「資格を取ればできる仕事」ではない
中小企業診断士の勉強をしていると、
「本当に自分にできるのだろうか?」
「コンサル経験がないけど通用するのか?」
という不安を持つ人は多いと思います。
実際、私自身も2020年に中小企業診断士を取得した時点では、どうやって仕事をしていくのか全く分かっていませんでした。
資格取得後すぐに独立するつもりもなく、「とりあえず資格を取った」という感覚に近かったです。
しかし、ちょうどコロナ禍で自社事業であるコワーキングスペース運営が厳しい状況になり、「診断士として活動していこう」と考えたことがスタートでした。
当時は経営相談窓口などの公募が非常に多く、そこで仕事に応募し、先輩診断士とつながり、少しずつ実務経験を積んでいきました。
つまり、最初からスキルがあったわけではありません。
実務を通じて身につけていった、というのが実際のところです。
中小企業診断士は「経験を活かす資格」
中小企業診断士は、非常に「経験」が重要な資格だと思っています。
ただし、ここでいう経験とは、「経営経験が必要」という意味ではありません。
例えば、
- 営業経験
- 製造業での勤務経験
- IT業界での経験
- 接客業の経験
- アルバイト経験
こういったものも十分に強みになります。
診断士の仕事は、
「業種 × 職種 × 得意テーマ」
の掛け合わせで成り立っています。
私はWEB業界、ネットショップ運営、コワーキングスペース運営などの経験がありますが、それが特別有利というわけではありません。
人それぞれ違うバックボーンがあり、それをどう活かすかが重要です。
そのため、「自分には強みがない」と思っている人でも、実は価値になる経験をすでに持っているケースは多いと思います。
実務経験はどう積むのか?
では、中小企業診断士としての実務経験は、どう積んでいくのでしょうか。
私自身の経験では、大きく以下のような形でした。
① 経営相談窓口
比較的、経験が浅い診断士でも参加しやすいのが経営相談窓口です。
ここでは、
- 経営者の話を聞く
- 課題を整理する
- フレームワークに当てはめて考える
といった経験を積むことができます。
この仕事で大切なのは、特別な経営テクニックよりも「話を聞く力」です。
② 補助金支援
補助金については、得意な診断士の方から教えてもらい、下請けのような形で経験を積みました。
最初から一人で完璧にできる人はほとんどいません。
実務を通じて覚えていく世界です。
③ 金融支援
金融支援については、診断士になるまでほぼ知識がありませんでした。
しかし、協会経由の簡単な案件や勉強会に参加し、実際に取り組みながら学んできました。
中小企業診断士の仕事には「答え」がない
診断士の仕事が難しい理由の一つは、「答えがない」ことです。
例えば行政書士の許認可業務であれば、「許可を取る」という明確なゴールがあります。
しかし診断士の場合は違います。
例えば、
- 高付加価値戦略で利益率を上げる
- 薄利多売で市場シェアを広げる
どちらも正解になり得ます。
つまり、経営には絶対的な正解がありません。
だからこそ、診断士には単なる知識だけではなく、「経営者と一緒に考える力」が求められるのだと思います。
一番大切なのは「経営者へのリスペクト」
私は、中小企業診断士に最も重要なのは、経営者への共感とリスペクトだと思っています。
診断士の中には、
「俺は診断士なんだから」
「俺の言うことを聞け」
というスタンスの人もいます。
しかし、私はそれは違うと思っています。
経営者は、その業界や商品・サービスのプロです。
一方で診断士は、さまざまな会社を見てきた知識や情報を持っている。
つまり、お互い役割が違います。
だからこそ、
- 話をしっかり聞く
- 共感する
- 一緒に考える
という姿勢が重要だと思っています。
実際、経営者は「知識量」だけではなく、「この人と一緒に考えたいか」を非常に見ています。
資格取得後、本当に大事なこと
最後に一番大事なことを書きます。
それは、
「チャンスを逃さないこと」
です。
本を読むことも、セミナーに参加することも大切ですが、実務経験にはかないません。
分からなくても、とりあえずやってみる。
困ったら、先輩診断士や周囲に相談する。
そうやって少しずつ経験を積んでいくことで、実務スキルは身についていきます。
中小企業診断士は、資格を取った瞬間に完成する仕事ではありません。
資格取得後に、
- 実務経験
- 人とのつながり
- 信頼関係
を積み上げていくことで、本当の意味でのスキルが身についていく仕事だと思っています。
