令和3年の中小企業診断士1次試験の企業経営理論について実際に問題を解いてみて解説をしています。

企業経営理論はボリュームは増える傾向。問題の難易度は人によっては簡単になっている

企業経営理論を実際に解いてみた感想です。

結果は69点。テキストを暗記ではなく理解している人にとっては難易度は下がっている印象

私自身、2年間学習をせずに問題を解いてみたところ、69点と無事、合格点が取れました。全体的な印象として、テキストを暗記するような形で学習している方にとっては難易度があがっていると感じました。一方で、テキストに書かれていることを事例の形やイメージなどでしっかりと理解している人にとっては難易度が下がっていると思います。私が2年間勉強していなくても69点取れたのは、そういう理由もあると感じます。

昨年からボリュームが約1割増えている点では難易度あがっている。

下記は、平成29年からの問題のページ数です。

H29:37P、H30:41P、R1:39P、R2:47P、R3:44P

令和2年度を境にボリュームが1割以上増えています。問題数そのものが増えているわけではなく、設問文が長い問題が増えています。ボリュームが多いことで試験当日は焦りもでます。結果的にミスも誘発されます。

私自身、問題を解いていて、最後の方は疲れて適当な感じになっていくのを感じました。実際の試験では3科目で昼食後のタイミングです。それなりにつかれているタイミングかつ、集中力が低下するタイミングですので、量をこなすトレーニングで慣れていく必要があると思います。

他科目の要素も出ているので、単一科目の勉強で科目合格は難しい

企業経営理論の科目では、財務・会計、経営情報システム、経営法務などの知識が求められる問題も複数出ています。

企業経営理論のみを単独で勉強をして科目合格というのは難しいと思います。とはいえ、もともと科目合格は推奨していません。その点については下記記事を参照ください。

中小企業診断士の1次試験で科目合格を活用すべきではないわけ

中小企業診断士試験をこれから勉強しようと考えている方の中には、科目合格制度を使って2年かけて1次試験の7科目を合格しようと考えている方がいるかもしれませんが、科…

最近のトレンド要素が反映されている

以前の企業経営理論の試験問題というと、ドメイン、コア・コンピタンスというように基本的な知識を掘り下げていく印象でした。そのような形式の問題は受験生の対策が進んでいるということなのか、減っている印象です。

一方で、トレンド的な問題が増えていると感じます。具体的には、「事業承継・M&A」「インターネット活用、インターネット広告」に関連したような問題が増えています。

経営情報システムでは、「コロナ禍」を前提とした問題も出題されていました。来年の試験は「DX」に絡んだ問題なども出題されるかもしれませんね。

難易度の低い問題でちょうど40点分

少しわかりにくいですが、下記表は、赤ペンでの丸は、私自身が解いてみて正答した問題。緑のマーカーが私が独自に判断した必ず解きたい(解ける)簡単な問題です。この簡単な問題がちょうど40点分ありました。企業経営理論を苦手とする人も最低限の知識習得で足切りだけは回避できそうです。

各設問の解説は動画で

各設問の説明は動画を参照ください。とはいえ、受験予備校のように1問1問を丁寧には解説していません。(昨年にそのような動画を作ったら50分になったので。。)傾向や解き方など各問題のワンポイント解説のような形にしています。

よろしければ参照ください。