「国家資格を取れば人生が変わる」 「資格があれば仕事は何とかなる」
資格取得を目指す方の多くが、どこかでこうした期待を抱いています。
ですが、実務の現場に立っている立場からは、 あえてこう言わざるを得ません。
資格自体に、価値はありません。
誤解してほしくないのは、資格を否定したいわけではないということです。 むしろ私は、中小企業診断士・行政書士という国家資格を取得し、 それによって仕事の幅も人生の選択肢も大きく広がりました。
ただしそれは、 資格を取った「後」の行動があったからです。
この記事では、 ・なぜ資格を取っても何も変わらない人が多いのか ・「資格取得をゴールにするな論」の落とし穴 ・それでも資格が必要な理由 ・資格勉強より取得後の方が大変な現実 について、実体験をベースに解説します。
国家資格を取っても、基本的に何も始まらない
国家資格を取得すると、 名刺に資格名を書けるようになります。 ホームページにも「行政書士」「中小企業診断士」と載せられます。
すると、 「これで仕事が来るのでは?」 と期待する人も少なくありません。
しかし現実は厳しく、 資格を取っただけで仕事が来るケースはほぼありません。
私自身、行政書士登録をして約3年が経ちますが、 行政書士「単体」で営業して仕事が回ってきた経験はほとんどありません。
実際に受けている行政書士業務の多くは、 中小企業診断士として関わった顧問先や、 そこからの紹介がきっかけです。
つまり、 資格名そのものに対して報酬が支払われるわけではない ということです。
「資格取得をゴールにするな」は正論だが、現実的ではない
資格業界ではよく、 「資格取得をゴールにしているからダメなんだ」 「取得後を見据えて計画しなさい」 と言われます。
確かに理屈としては正しいです。
ですが、 取得前の段階で、資格をどう使うかを完璧に理解するのはほぼ不可能 だと感じています。
私自身、中小企業診断士に合格した当時は、 「この資格でどうやって稼ぐのか」が正直わかっていませんでした。
補助金支援、事業計画支援、金融機関との折衝―― そうした仕事があることも、 合格前には具体的にイメージできていなかったのです。
これは多くの資格で共通しており、 取らないと見えない世界が確実に存在します。
だからこそ、 資格取得を一つのゴールにしても構いません。
ただし、 そこからが本当のスタートラインになります。
資格自体に価値はないが、資格は強力な「武器」になる
「資格に価値はない」と言いましたが、 それは「持っているだけでは意味がない」という意味です。
資格が本当に価値を持つのは、 次のような場面です。
資格を持っていないと入れない世界
士業には、それぞれ協会や会があります。 中小企業診断士協会、行政書士会、社労士会などが代表例です。
ここでは、 資格勉強の話ではなく、 実務・営業・失敗談といったリアルな情報が飛び交っています。
こうした環境に身を置けること自体が、 資格の大きな価値の一つです。
資格がないとできない、または信用されない仕事
行政書士や社労士、税理士のように 独占業務がある資格は分かりやすいでしょう。
一方で、 独占業務がないと言われる資格でも、 実質的に資格者でなければ受注できない仕事は存在します。
ただし重要なのは、 「資格を持っている」ことではなく、 その仕事を取れるようになることです。
資格勉強より、取得後の方が100倍大変
資格試験は、 合格すれば60点でも100点でも同じです。
一部の例外を除き、 試験の点数が仕事に直結することはありません。
一方で、 資格取得後は一気に状況が変わります。
・判断ミスが顧客の損失につながる ・責任はすべて自分に返ってくる ・時間の使い方が収入に直結する
士業として独立・開業するということは、 資格者である前に事業者になるということです。
資格勉強の段階から、 「どうすれば効率よく成果を出せるか」 という視点を持つことは、 将来的に必ず役に立ちます。
まとめ|資格はスタート地点に立つためのチケット
資格自体に価値はありません。
しかし、 資格がなければ立てないスタートラインが存在します。
資格を取っただけで人生が変わることはありませんが、 資格をどう使うか次第で、人生が変わる可能性は十分にあります。
これから資格取得を目指す方も、 合格後に悩んでいる方も、 ぜひ「取得後の行動」に意識を向けてみてください。
資格はゴールではなく、 可能性を広げるためのチケットにすぎません。
そのチケットをどう使うかは、 あなた次第です
