~7科目一発合格を目指すべき5つの理由~
先日の動画のコメントで、ある受験生の方から「科目合格を活用して合格を目指したい」とい「科目合格を活用しない方がいいですよ」とアドバイスしましたが、コメント欄では詳しく説明できなかったので、「なぜ科目合格を狙わない方がいいのか?」について詳しく解説していきます。
前提となる中小企業診断士の一次試験の制度
まず、中小企業診断士の一次試験の制度について復習しておきますと、以下のようになります。
- 試験科目数:7科目
- 満点:700点(各科目100点満点)
- 合格ライン:420点(60%以上)
- 科目合格認定:60点以上で、その科目の試験が次回・翌々年免除
- 足切り:1科目でも40点未満で不合格
このルールを前提に、なぜ科目合格を目指すほうがいいのか?
科目合格を活用しない方がいい5つの理由
①総合点で勝負した方が合格しやすい
一次試験は7科目合計の得点で合否が決まるので、得意科目で高得点を取り、苦手科目の不足分を補う戦略が有利です。
実際、私の場合は7科目のうち1科目だけ56点でしたが総合点で合格しました。
科目合格を目指すと、1科目ごとに確実に60点以上取らなければいけない、困難度が上がるということになります。
② 2次試験のためにも、1次試験の全科目を毎年勉強したほうがいい
1次試験はあくまで通過点で、2次試験に合格しなければ資格は取得できません。
2次試験は1次試験の知識を活用する応用問題なので科目合格した科目をもし1年間勉強しなければ、結局2次試験で苦戦する可能性が高いです。
特に企業経営理論・財務・運営管理は毎年受験するつもりで勉強し続けるべきです。
③科目合格には有効期限(2年)がある
科目合格は次回・翌々年の試験が必要されるだけで次の4科目のうち1科目でも落ちたら、翌々年にはまた1次試験を受けなければいけないということになっています。税理士試験のように科目合格が永久的に効力を持つのであれば意味がありますが、2年間だけなので、そこで失敗すると大変なことになります。
④計画通りに進まない可能性が高い
「今年3科目、来年4科目、2次試験は合格!」という計画を立てても、計画通りに進まないケースが多いです。
1科目でも抜けたら、今度は1次試験を受けなければいけないことになります。科目合格の有効期限が複雑なことになり、勉強のモチベーションを保つことや勉強計画を毎年考えないといけません。
毎年、7科目受験するのであれば、毎年同じペースで勉強すればよいのでシンプルな計画で継続できます。
⑤得点調整の都合を受けにくい
過去10年の中で、令和元年・平成27年以外は得点調整が行われています。もし、苦手科目で得点調整があればラッキーですが、科目合格を目指す場合は、この得点調整の結果を受けにくいというデメリットがあります。
結論:7科目一発合格を目指すより効率的!
✔すべての科目を受験した方が総合点で合格しやすい
✔ 2次試験のためにも、毎年全科目を勉強した方が良い
✔ 中小企業診断士試験の科目合格には有効期限がある
✔科目合格を目指すと、計画通り進められないリスクが高い
✔ 得点調整の恩恵を受けられない
もし今年3科目・来年は4科目の計画を立てている人がいるなら、今からでも7科目を目指した方が合格のチャンスが広がります!
科目合格を目指すのではなく、数年を掛けた計画をするならば、1年目はすべて足切りをクリア(280点)⇒2年目は平均50点(350点)⇒3年目に合格(420点)という形などをイメージした方が良いと思います。
今からでも7科目合格は狙えるのか?
(この記事のアップしたのが3月です。)「もう3月なのに、今から7科目受験するのは厳密ないですか?」と思う方もいるかも知れませんが、今からでも可能性はあります。
私の知人では、1次試験の申込をしてからゼロスタートで初めて合格した人もいます。
ちなみに1科目あたりの勉強時間は50~100時間です。すべてを終えなくても、30時間勉強すれば40点~50点は取れる計算です。得意科目を活かせば、ワンチャン総合420点以上は十分狙えるかもしれません。
一部の科目に集中するのではなく、すべての科目をバランスよく勉強して、総合点で合格を目指す戦略が最も効率的です!
科目合格を活用するなら…
唯一、科目合格を活用するケースがある場合は、「結果的に合格していた場合」です。
苦手な科目がたまたま60点以上を取れていた場合は、翌年度に科目合格にするのはありだと思います。ただ、すでに書いたとおり、企業経営理論、財務・会計、生産管理は勉強しないといけません。経済学や経営法務などが科目合格していた場合には翌年に活用してもいいかもしれませんね。
などのエピソードがあれば、ぜひ動画の方でコメントで教えてほしい!