先日、知人が中小企業診断士試験から撤退しました。
2年間挑戦し、2次試験で結果が出なかったことを受けての決断です。
ただ、それは「諦め」ではありませんでした。
自分の業界により近く、実務に直結しやすい資格へ鞍替えするという、戦略的な判断でした。
今回はこの出来事をきっかけに、中小企業診断士試験における「撤退」という選択肢について整理してみたいと思います。
中小企業診断士試験は努力で必ず受かるのか?
よく言われるのが、
資格試験は努力すればいつか受かる
という考え方です。
これは半分正解です。
多くの資格試験は、勉強時間と得点がある程度比例します。
特にマークシート中心の暗記型試験は、時間をかければ合格に近づく傾向があります。
実際、毎年合格点に近づいているのであれば、継続する価値は十分あるでしょう。
診断士2次試験は性質が違う
中小企業診断士試験は、
- 1次試験:知識の確認
- 2次試験:知識の応用力確認
という構造になっています。
1次試験は暗記型に近く、勉強時間が成果に反映されやすい試験です。
一方で2次試験は、与件文を読み取り、課題を整理し、限られた字数で論理的にまとめる試験です。
つまり、
勉強時間=合格
とは必ずしもなりません。
相性、適性、思考パターン、さらには出題との巡り合わせも影響します。
ここが判断を難しくしているポイントです。
「やめられない心理」
資格試験に何百時間も投下すると、
- ここまでやったからやめられない
- もったいない
- 次こそは受かるはず
という心理が働きます。
これは自然なことです。
しかし一方で、
目的と手段が逆転していないか?
は一度冷静に考える必要があります。
診断士資格そのものが目的になっていないか。
本来やりたかったことは何だったのか。
本当に診断士でなければならないのか?
中小企業診断士を目指す理由は人それぞれです。
- 独立開業したい
- 経営支援がしたい
- 社内評価を上げたい
- セカンドキャリアを築きたい
しかし、その目的は必ずしも診断士でなくても達成できる可能性があります。
実際に、
- 人事に関わりたいと気づき、社労士へ進む人
- 許認可や法務寄りの業務に魅力を感じ、行政書士へ進む人
- 業界特化資格へ方向転換する人
もいます。
診断士の勉強をした経験は、無駄にはなりません。
むしろ、自分の適性を知る材料になります。
撤退は失敗ではない
中小企業診断士2次試験は、応用力型の試験です。
どうしても相性が合わない場合もあります。
その場合、
- 養成課程を検討する
- 他資格に鞍替えする
- 一旦離れて実務経験を積む
といった選択は、逃げではありません。
戦略的な方向転換です。
まとめ
中小企業診断士試験に挑戦したことは、決して無駄ではありません。
ただし、
- 本当に診断士でなければならないのか?
- 今の自分に合っているのか?
は一度立ち止まって考えてもいいと思います。
撤退も、鞍替えも、立派な意思決定です。
