最近、SNSを見ていると「年内に黒字化しなければサラリーマンに戻る」といった投稿をよく見かけます。国家資格を取得して独立開業したものの、思うように稼げていない方が増えているように感じます。

実際、私も中小企業診断士として活動する中で、たくさんの士業の方と出会ってきました。その中には明らかに成功している方もいれば、苦戦している方、あるいはすでに廃業してしまった方もいます。

そこで今回は、私がこれまで見聞きしてきた中で「稼いでいる士業の人に共通する5つの行動」をまとめてみました。これから資格を取得して開業しようと思っている方、あるいは開業したけれど不安を感じている方にとって、ヒントになれば嬉しいです。


1. 人とのつながりを大事にしている

稼いでいる人は、例外なく「人とのつながり」をとても大切にしています。特に国家資格の世界では、各士業の協会活動に積極的に参加している方が多い印象です。

例えば、中小企業診断士なら診断士協会、行政書士なら行政書士会など。それらの活動を通じて自分を知ってもらい、仕事の紹介を受ける機会につなげているんですね。

また、地域の商工会や事業者団体、祭りの委員などに参加し、深い人間関係を築いている方も多いです。名刺交換だけの薄い関係ではなく、信頼をベースにした濃いつながりが、仕事につながっていると感じます。


2. 情報発信を継続している

継続的に情報発信している人は、やっぱり稼いでいることが多いです。

ブログを毎日更新している人、SNSで定期的に発信している人、YouTubeで情報を提供している人など、やり方は様々ですが、自分の考えやノウハウを発信している人は自然と仕事につながっています。

広告収入を目的にしたアクセス至上主義ではなく、「誰かの役に立てば」という姿勢で発信している人が、結果的に仕事を得ているケースが多い印象です。

私自身もYouTubeで補助金や開業支援の情報を発信していますが、それをきっかけに相談が増えたこともあります。情報発信は仕事づくりの第一歩だと思います。


3. お金の話を曖昧にしない

士業の仕事は時間チャージが基本です。それなのに、料金の話を曖昧にしてしまうと、どんどん無償労働が増えてしまいます。

電話やメールでの相談が来たときに、どこからが営業でどこからが有料なのか。そこをきちんと線引きできている人は、しっかり稼げています。

「無料で引き受けたけど、忙しいのに全然お金になっていない…」と後悔することがないよう、自分の単価や報酬体系は早めに明確にしておきましょう。


4. 実績を自分でつくっている

「実績がないから仕事が来ない」「仕事がないから実績が作れない」という負のループに陥る人は少なくありません。

そんな中、稼げている人は、最初の実績を“自分で”つくっています。

例えば、貸し会議室を借りて自分でセミナーを開催してみる。無料相談会を自分で企画する。補助金申請を自分の事業で試してみる。

たとえ集客がうまくいかなくても「やった」という事実は残ります。それが次のチャンスにつながるんです。


5. 公募案件や専門家登録に積極的に応募している

稼げている人の多くが、過去に公的機関の相談員などの仕事を経験しています。そのきっかけとなるのが、J-Net21などで募集されている「公募案件」や「専門家登録」です。

最初は登録だけでもいいんです。実績がなくても登録できる機関は多いですし、登録後に担当者へ挨拶に行くなどして関係性を築くことで、仕事が舞い込む可能性が高まります。

私自身も、最初の1件がきっかけで継続的に相談依頼をいただいている機関があります。最初の一歩を踏み出すことで、大きな流れにつながることもあります。


まとめ:戦略を持って行動すれば、資格は武器になる!

今回ご紹介した5つのポイントをまとめると、

  • 人とのつながりを育てる
  • 情報発信を継続する
  • お金の線引きを明確にする
  • 実績を自らつくる
  • 公的機関とつながる

これらを意識して取り組むことで、「資格を取ったのに稼げない…」という状況から抜け出すきっかけになると思います。

国家資格は、活かし方次第で大きな武器になります。

私自身もたくさん失敗してきましたが、少しずつ改善しながら進んできました。この記事が、これから資格取得・独立開業を目指すあなたの一助になれば嬉しいです。