企業経営理論の「企業戦略」の講義を終えて

今回は前回に学んだ「企業戦略」を掘り下げて学んでいきます。これも前回同様に流れで覚えていくと良いと思います。企業戦略という言葉のとおり、企業はどこで戦うのか、そして複数の事業を持つ場合にはどのように戦っていくのかということが中心になります。

企業戦略は企業の戦い方について学ぶ

企業戦略をその言葉のとおり企業の戦い方について学ぶわけですが、要するにはどこで戦うのか?そして戦う場所はどのように決めていくのかということから学びます。どこで戦うのかということを「ドメイン」と呼びます。

どこで戦うのか定義するのか「ドメイン」

「ドメイン」は誰に・何を・どのように提供するのかということを定義します。なぜ、ドメインを定義するかと言えば、企業の力を集中させるためです。具体的な目的は以下の3点です。

  • 意思決定の焦点
  • 資源を集中
  • 組織の一体化

ドメインは、企業単位の「企業ドメイン」もあれば、事業単位の「事業ドメイン」もあります。ドメインを定義するうえでの注意しないといけないのはその広さです。広すぎると企業の力が分散してしまいますし、狭すぎると過度に集中してしまい事業として成立しません。「事業ドメイン」の方がより具体的な内容となります。

ドメインを定義する方法として、「物理的」に定義するか、「機能的」に定義するかということがあります。「物理的」に定義するということは具体的な「モノ」として定義することになりますので、顧客視点がなく事業展開に制約を受けるケースがあります。それを「マーケティング・マイオピア」と呼びます。一方で「機能的」に定義するというのは顧客視点を持って「コト」として定義することになります。抽象的になりすぎないようにする注意が必要です。

余談ですが、「モノ」と「コト」というのは最近、耳にする機会が増えました。特に海外からの旅行者などは体験など「コト」を求める傾向にあり、土産物のような「モノ」は求められていないというような話題を良く聞きます。

脱線しましたが、「ドメイン」の別の切り口としては「市場・顧客軸」、「機能軸」、「技術軸」があります。「ドメイン」は変化させることは企業にとって自由です。むしろ環境に適応していく必要があります。

複数の事業をどのように組み合わせて戦うのか?「多角化戦略」

事業の方向性をしましたものにアンゾフの「成長ベクトル」があります。難しいものではなく、既存製品/新製品・既存市場/新市場の2×2のセルを作った場合にそれぞれのセルでどの戦略を取るかということです。

既存製品 新規製品
既存市場 市場浸透戦略 市製品開発戦略
新市場 新市場開拓戦略 多角化戦略

ということです。で、この「多角化戦略」を企業がしていくには理由があります。

  • 新規事業分野の開拓
  • リスク分散
  • 組織スラックの活用
  • シナジーの追求

です。特に既存の事業との相乗効果を得らえるシナジーのある事業をおこなうことがメリットが大きいです。

プロダクト・ポートフォリオ・マネージメント

複数の事業をおこなっている場合、それぞれの事業がどのような状況であるのかを把握する必要があります。そのツールの一つが「プロダクト・ポートフォリオ・マネージメント(PPM)」です。

「PPM」は、「市場成長率」と「相対的市場シェア」のよって4つのセルに分けられ、以下のようになります。

多い

開発投資

少ない

高い市場成長率

低い

花形 問題児
金のなる木 負け犬
高い 相対的市場シェア 低い
多い 販売から得らえる資金 少ない

簡単に言えば、「金のなる木」で得たお金を「問題児」に投入して「花形」い成長させ、最終的に「金のなる木」にしていくといサイクルを作っていこうという考え方です。

この前提として、累積生産量が増えればコストが下がるという「経験曲線効果」「製品ライフライフル」があります。

また、問題点としては、

  • 財務の視点しかない
  • 過去の分析が前提となっている
  • 負け犬のモラール低下
  • シナジーを無視している

ということがあります。この問題を元にした改善版が「ビジネススクリーン」という考え方で「競争地位(自社が強いか弱いか)」と「産業魅力度」を軸に見ていく手法です。主観的な判断をベースをしていますが、経営者が今後の企業の方向性を考えていくには有効な判断ツールです。

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